2011年10月14日金曜日

日本栗















日本栗です。中国栗、ヨーロッパ栗。アメリカ栗の渋皮は簡単に剥けるのに、日本栗の渋皮は剥けにくいのは何故かの研究してきました。その中で、渋皮と果肉の接着機構、接着物質の単離(カスタヘジョンと命名)、メタキセニアの解明、育種的方向を明らかにしました。何故そんな研究をしているのかと「研究者」から言われたことをおぼえています。たぶん研究とは何かを知らない「研究者」なのでしょう。


NHK総合テレビ「クローズアップ現代」(10月12日)で、スティーブ・ジョブズ氏を取り上げていました。夢を忘れないジョブス氏の人となりがよく分かりました。コスト削減などにはこだわらず徹底的にこだわる姿勢や、人に役立ちわくわくする物を作る思想が、多くの人の心を引きつけました。

このジョブス氏の姿勢や思想は科学研究に対する姿勢や思想と同じです。夢にこだわって志を貫くことが大切です。科学研究に携わる人は、時代に流されるのではなく、時代を作ることをめざす姿勢やこだわりが必要です。それが、ジョブス氏のいう「Stay hungry, stay foolish.」ということだと考えています。

一方、こうしたイノベーションの分野では消費者アンケートや消費者ニーズの重視は、技術開発の有害となることが多いことはあまり知られていません。経済学の分野では、消費者ニーズを重要視した優良企業が市場における優位性を失うことを「イノベーションのジレンマ」と表現しています。消費者は自分が欲しいものを明確に知っているわけではなく、市場にない物には考えが及ばないのが普通です。