2011年10月31日月曜日
ススキのある風景
ススキのある風景です。外来植物のセイタカワダチソウに負けそうになりながらも群落を作っていました。まるで環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の中の日本農業のような感じです。
今日は、地球の人口が70億人に達する日です。メルマガ「くだもの&健康ニュース」の最新号にネーチャーに掲載された人口問題と関連する農業、環境についての科学論文を紹介しました。このデータを見るとTPPへの参加には慎重にならざるを得ないと考えています。
■ 文献紹介:その土地のものを食べてやっていく
人口の継続的な増加、所得の上昇、肉および乳製品の消費量増大、
それにバイオ燃料使用の拡大は、近い将来、世界の農業および天然
資源にかつてなかったほどの重大な影響を与えると環境および農業
の研究者による国際共同研究チームの論文が「ネイチャー」(2011
年10月20日)に注目記事として掲載されました。
現在、人口の増加と消費拡大が続いており、農業と天然資源に前
例のない需要が拡大しています。そのため、地球規模での土地、水、
生物多様性が劣化しつつある一方で、慢性的な栄養失調者を生み出
しています。
研究者らは、増大し続ける食糧需要に応えながら、同時に農業が
環境に与える影響を削減することができるかについて調査を行いま
した。
研究チームは、新しい地理的空間的なデータおよびモデルを用い、
農業への新たな取り組みで食糧生産と環境の持続可能性の両方にど
のような利益と影響を与えるかについて評価を行いました。
その結果、環境への負荷を減らしながら食糧生産を倍増させるに
は次の戦略を実施する必要があると述べています。
耕作利用効率の向上や廃棄物の削減とともに、我々の食習慣や生
活習慣を変更して、家畜飼料やバイオエネルギー作物、むだの多い
非食用作物の生産を減らすような方向に、穀物の生産体系を変えて
いかなくてはならないと結論づけています。言い換えると、「その
土地で生産されたものを食べてやっていく」ということです。
【文献】
Foley, J.A. et al.: Solutions for a cultivated planet. Nature,
478: 337-342. (2011) [doi: 10.1038/nature10452]