2012年1月2日月曜日

門松



















美術館の玄関に置かれた門松です。年が明け、ニュースでは世界各地の新年の様子が伝えられています。正月らしい伝統的な風景には見ていて和みますが、独裁政権の支配が続いているシリアではデモに参加した若者たちが撃たれたり拷問を受けているとの報道には心が痛みます。


国際研究交流の仕事でシリアの研究機関や大学を訪ねたことがあります。山間部に整然と植えられたリンゴの畑に驚くと同時に、聖書にリンゴが登場することに納得したりしました。シリアの大地は砂漠ではなく土漠で、山間部は豊かな森林が育っていました。

ただ、シリアの大学の学長を表敬訪問したとき、学長室の前に大学とは関係なさそうな人たちが沢山並んでいるのが不思議だったので、担当者に訊ねたところ学長へ陳情する人の列だとのことでした。大学の学長とは陳情を受けるほどの権限が集中しているのかと思いました。

昨年は、「アラブの春」と言われました。チュニジアから始まった独裁政権の崩壊を称しているのですが、その犠牲の多さも忘れてはいけないと思います。一度独裁を許すとその独裁体制を壊すには並大抵ではありません。シリアからのニュースに注目していこうと思います。