剪定前の梨の木です。春を迎える前に枝を切り整える作業が行われます。
【文献紹介】サプリメントは高齢女性の死亡率を高める
東部フィンランド大学とミネソタ大学の研究チームは、サプリメントの摂取は高齢女性の死亡リスクを高めると「内科学アーカイヴス」に発表しました(文献)。
研究では、38,722人の女性を対象に1986年から19年間追跡調査を行いました。その間15,594人(全体の4割)が死亡しました。1986年の時点で参加者の62.7%が少なくとも一日一回はサプリメントを摂取していると回答し、1997年には75.1%が、2004年には85.1%と使用者数は増加していました。
データ解析を行ったところ、カルシウムを除く、他のサプリメントで死亡リスクを下げる働きは認められず、逆に、死亡リスクを高めていることが分かりました。マルチビタミン、ビタミンB6、葉酸、鉄、マグネシウム、亜鉛、銅のサプリメントが、特にリスクを高めることが観察されました。ただ、カルシウムだけはリスクを下げていました。
以上の結果から、研究者らは、欠乏症でもない限りサプリメントの摂取は控えることを強くお勧めると述べています。
コペンハーゲン大学の研究者は、この研究結果にコメントを寄せています。「これはビタミンE、ビタミンA、βカロテンのような抗酸化サプリメントが身体に悪いことを示唆するさらなる科学的根拠である」と語っています。
【文献】
Mursu, J. et al.: Dietary Supplements and Mortality Rate in Older Women. The Iowa Women's Health Study. Arch. Intern. Med.,171: 1625-1633. (2011) [doi: 10.1001/archinternmed.2011.445]