2012年2月25日土曜日

剪定の終わったブドウの木















剪定の終わったブドウの木です。関東地方では3月中頃の気温となりました。熊本ではハウスで育てられたスイカの出荷が始まったとニュースで伝えていました。


【文献紹介】治療方針などに対する乳ガン患者の調査

アメリカ、ボストンやサンフランシスコなどにある4カ所の医療機関で、初期乳ガンの第Ⅰ期か第Ⅱ期の浸潤性ガンの外科的治療を受けた患者746人に、アンケートを渡し全体の59%にあたる440人から回答が得られました。その結果が「アメリカ外科医学会雑誌」に発表されました。

回答者の乳ガンに対する治療内容や、局所再発、生存率や副反応などの知識について質問し、回答に応じて10段階で評価が行われました。加えて治療方針を決定する過程において、医師と議論した内容や、自分が治療方針決定にどのように関わったかも尋ねました。

回答を分析した結果、乳房切除術と温存術で生存率に差がないことは、回答者の55.7%しか知りませんでした。部分切除術の再発リスクが全切除術より高くなるということも45.9%しか知りませんでした。乳ガンんの病識に関する平均正答率は52.7%でした。

治療方針については、自分が受けた外科治療を、希望する結果と一致していたと回答したのは89%でした。しかし、治療方法別にみると、部分切除術を受けた人の92.6%に対し、全摘手術を受けた人では80.5%と、両群で差が認められました。


治療方針についての議論を行った回数は部分切除術を受けた人の方が多く回答しており、全摘術を受けた人では、自分の希望をたずねられたと回答したのは48.6%しかいませんでした。

研究者によると、手術方法によるこうしたインフォームドコンセントの頻度の差は、部分切除術の場合、再発リスクが高くなることを説明する必要があるためではないかとしています。

初期乳ガンの外科手術は患者の好みによる選択が多くなるとされています。患者が十分な説明を受け、リスクや副反応についても理解のうえ、納得のいく治療が選択できることが大切と研究者らは述べています。

【文献】
Lee, C.N. et al.: Decision Making about Surgery for Early-Stage Breast Cancer. J. Amer. College Surgeons., 214: 1-10, (2012)