シャーロックホームズが印刷された紙袋です。古い感じの印刷が時代を映しているように思えるので、大切に保存しておく予定です。
【文献紹介】腸内洗浄は無駄なだけでなく嘔吐、死亡の副作用
アメリカ、ジョージタウン大学の研究チームが、腸内洗浄(経口腸管洗浄、腸内クレンジング)には、医学的な何のエビデンス(証拠)もなく、かつ、痙攣、腎不全などにより死に至る症例があったなど様々な副作用があると、「家庭実践雑誌」に発表しました。
腸内洗浄とは、直腸に挿入したチューブを通じて水や クエン酸マグネシウムなどの化学物質、コーヒーなどを含む液体を大量注入して排泄を促進するものです。アメリカでは20世紀初頭(1900年代)に流行しましたが1919年にアメリカ医師会がら警告がだされたため、その後すたれました。ところが最近になって増加傾向にあることが分かりました。
こうした腸内洗浄方法や薬剤などには科学的な信憑性が全くありません。しかもこうした方法や薬剤にアメリカ医薬品管理局(FDA)は繰り返し警告を発していますが、ほとんど野放し近い状態となっています。
研究チームは、過去10年間に発表された20件の研究論文を再検討を行った結果、痙攣、膨満感、吐き気、嘔吐、電解質不均衡、腎不全などによる死亡症例など様々な副作用が報告されていることが分かりました。
さらに研究者らは、「いくつかのハーブ製剤は、再生不良性貧血と関連が疑われていいます。コーヒーによる大腸炎などによる死亡例も報告されています」と警告しています。
また、腸内洗浄を実施するスパや療養所が存在し、そこではいわゆる「コロン衛生士」なる人がそれを施術するのですが、それは公的な資格ではなく彼らの大半が医療訓練を受けたことのない人なので注意が必要と述べています。
【文献】
Mishori, R. et al.: The dangers of colon cleansing. J. Family Practice, 60: 454-457. (2011)