2012年3月9日金曜日

カンキツが美味しい季節














カンキツが美味しい季節です。よく知られている「清見」や「デコポン」だけでなく、「はるみ」や「せとか」などの新品種も手軽に入手することが出来るようになりました。濃厚な味が魅力です。その魅力につられて1個丸ごとぺろりと食べてしまいます。


臨床実験の課題の1つであるプラセボ効果についての研究が報告されています。人間の不思議な力をを感じます。

【文献紹介】プラセボ効果を検証

 新薬や治療法などの効果を検証するための臨床試験では、二重盲検法という信頼度の高い実験法による評価が行われています。しかし、そうした実験で用いられるプラセボ(偽薬:薬効のない薬)にも少なからず効果があるのではないかと考えられていました。

 二重盲検法では、試験薬を投与されたグループと、プラセボ(試験薬と同じ形状をした偽薬)を投与されたグループに被験者をランダムに振り分けます。この方法を用いることにより試験薬を投与されているという心理効果を除外することができると考えられています。しかし、プラセボとはいえ、薬様のものを摂取することによって感じる「治療されている感」は思いのほか大きな影響を与えると、「ニューイングランド医学雑誌」に報告されました。

 実験では、ぜんそく患者39人を次の4群に分けました。①気管支拡張薬のアルブテロール投与群、②プラセボ投与群、③偽の鍼治療を行なう第2のプラセボ群、④何もしない群、の4群です。

 実験の結果、「④何もしなかった群」に比べて、「①アルブテロール投与群」は肺気量が20%向上しました。一方、「②プラセボ群」と「③偽の鍼治療群」ではいずれも7%向上しました。

 「②プラセボ群」と「③第2のプラセボ群」の効果に差がなかったことから、プラセボ効果は治療の内容よりも何らかの治療をしてもらったという意識によるものが大きいのではないか、と研究者らは考えています。そのため、この結果は、患者の満足度の向上に活かせるのではと研究者らは述べています。

【文献】
Wechsler, M.E. et al.: Active Albuterol or Placebo, Sham Acupuncture, or No Intervention in Asthma. N. Engl. J. Med., 365: 119-126.  (2011)