2012年3月16日金曜日

春の木漏れ日























日の光が樹木の枝葉の間からさし込む春の日です。いつのまにか日の出が速くなり、日没が遅くなってきました。自転車通勤の途中、暖かい日の光を背に感じています。


【文献紹介】食品を色分けして陳列すると健康的な選択を促進

アメリカ、マサチューセッツ総合病院内にあるカフェテリアで行われた実験から、食品の陳列と掲示板の工夫次第で、健康的な食品の選択を促進することが出来ると、「米国公衆衛生雑誌」に報告された。

実験は、病院内の3つのカフェテリアのうち主力の1店舗で6ヶ月間行われました。まず2010年の3月から3ヶ月間、全商品に、果物や野菜、低脂肪肉など健康的な食品として緑のラベルを、そうでもない食品には黄色のラベルを、栄養的価値の認められない食品には赤のラベルを貼りつけました。

店内には緑のラベルの食品の選択を勧め、「黄色はたまに、赤の食品を選ぶ前に他の選択を」とする看板掲示を行ったほか、6ヶ月間栄養に関する情報を表示しました。

その結果、3ヶ月間で赤ラベルの購入数は、食品が9.2%、飲料は16.5%も減少しました。反対に緑ラベルでは、食品が4.5%、飲料が9.6%増加しました。

次に同年6月から3ヶ月間、売れ行きが陳列場所に左右されやすい商品を対象にして実験を行いました。対象としたのはサンドイッチ類とスナック類、ドリンク類の3種類です。

行動経済学の原則に従い、選択されやすいとされる陳列棚の目線より上の棚に緑ラベルの商品を、下の棚には黄色の商品と赤の商品と分けて陳列するなど、より健康的な食品を選択できるように設計しました。

その結果、赤の商品は前回減少した量に加え、さらに食品で4.9%、飲料で11.4%も減少しました。

緑の商品全体は、前回の3ヶ月間に比べると0.8%減少しましたが、飲料はさらに4%増加しました。これらの変化は他の2店舗と比較するとより顕著でした。

この研究結果から、利便性が重視される店舗では、その食品が健康的であることを一目でわかるように陳列、掲示する方法を工夫すれば、健康的な選択を促せることが分かりました。

【文献】
Thorndike, A.N. et al.: Labeling and Choice Architecture Intervention to Improve Healthy Food and Beverage Choices. Am. J. Public Health, 102: 527-533.  (2012) [doi: 10.2105/AJPH.2011.300391]