2011年4月8日金曜日

リンゴの形をしたお皿


















リンゴの形をした津軽塗りのお皿です。津軽塗りは弘前市の名産品です。

科学の分野では現実を客観的に把握し、科学的な解析を通じて評価することが大切です。ところが、「都合のよい現実」だけしか見ていない場合があります。実験室レベルの研究から作られた理論が現実に会わないと、現実を無視してしまう場合があります。

例えば、抗酸化成分β-カロテンは実験室レベルの試験では肺ガンの予防に有効と評価されていました。ところが、フィンランドで行われたヒトを対象とした試験ではヒトの健康を害することが分かりました。機能性成分に関係している多くの研究者はこの現実を都合よく判断しているように見えます。

東日本大震災は未曾有の自然災害ですが、「想定外」ではありません。マグニチュード9.0は、インドネシアで起きた地震の9.4より低いからです。

従って、少なくともマグニチュード9.4以下の地震は、地球上のどこかで再び起きる可能性が考えられます。そのため、三陸沖でマグニチュード9.4の地震がが「起きない」、あるいは、「起きる」とする科学的な解析が必要でした。

仮に、「起きない」とした理論が崩れた場合は、その理論が誤りであったことになります。理論構築のための「想定が誤っていた」といえますが、「想定外」ではありません。

「想定外」との発言はマグニチュード9.0以上は日本では起きていないという「都合のよい現実」として解釈したためではないでしょうか。

今行っている実験や研究は現実の世界とどうつながっているのか、すべての医科学者は今回のことを他山の石として自戒する必要があると思っています。