2011年4月1日金曜日

道の向こうに日が昇る

















道の向こうに日が昇っています。同じように見える日々ですが、昨日とは少しだけ違います。

二十一世紀は科学の時代と言われています。事実、携帯電話、医療など科学技術の進歩には著しいものがあります。同時に、福島第一原発の問題のように社会的な影響力も以前とは比べものにならないくらい大きくなっています。

そのため、科学技術に携わ専門家の倫理が問われていますが、医師など医療関係者を除くと科学技術に携わる専門家はあまりそのことを意識していません。その理由の一つに、医師など医療関係者以外は倫理についての教育を受けていないことがあげられます。

福島第一原発などについて専門家が解説していますが、倫理を意識していないのではないかと思われる場合が認められています。

そこで、世界医師会の医師の倫理に関する綱領を読み直してみました。医師の部分を専門家に読み替えると科学技術者の倫理としてそのまま適用できると思います。

メディアなどで科学技術を解説する場合は、下記の2つの条項を忘れないようにすることが大切です。

・医師は、自らが検証したものについてのみ、保証すべきである。
・医師は、公衆の教育という重要な役割を認識すべきだが、発見や新しい技術や、非専門的手段による治療の公表に関しては、十分慎重に行うべきである。


■世界医師会(WMA) 医の国際倫理綱領
医師の一般的な義務(日本医師会訳)

・医師は、常に何ものにも左右されることなくその専門職としての判断を行い、専門職としての行為の最高の水準を維持しなければならない。

・医師は、判断能力を有する患者の、治療を受けるか拒否するかを決める権利を尊重しなければならない。

・医師は、その専門職としての判断を行うにあたり、その判断は個人的利益や、不当な差別によって左右されてはならない。

・医師は、人間の尊厳に対する共感と尊敬の念をもって、十分な専門的・道徳的独立性により、適切な医療の提供に献身すべきである。

・医師は、患者や同僚医師を誠実に扱い、倫理に反する医療を行ったり、能力に欠陥があったり、詐欺やごまかしを働いている医師を適切な機関に通報すべきである。

・医師は、患者を紹介したり、特定の医薬製品を処方したりするだけのために金銭的利益やその他報奨金を受け取ってはならない。

・医師は、患者、同僚医師、他の医療従事者の権利および意向を尊重すべきである。

・医師は、公衆の教育という重要な役割を認識すべきだが、発見や新しい技術や、非専門的手段による治療の公表に関しては、十分慎重に行うべきである。

・医師は、自らが検証したものについてのみ、保証すべきである。

・医師は、患者や地域社会のために医療資源を最善の方法で活用しなければならない。

・精神的または身体的な疾患を抱える医師は、適切な治療を求めるべきである。

・医師は、地域および国の倫理綱領を尊重しなければならない。